志田 夏美
研究テーマ
現代中央アジアにおける「ものづくり」と遊牧文化
研究内容
近年、人類学を中心に再びモノへの関心が高まっています。とりわけ人とモノの関係を論ずる研究が注目を集めていますが、モノの生産現場における技術すなわちミクロ・レベルでのものづくりに関する研究はいまだ多いとは言えません。私の研究対象であるキリム(平織絨毯)は、ユーラシア大陸の乾燥地帯に暮らす女性たちの手で生産されてきた生活道具です。絨毯は、家畜を飼育する遊牧民の生活のなかでうまれ、広くイスラーム世界に普及した工芸品であり、いわば人々の生業と文化に深く根ざしたモノであると言えます。なかでも、私はウズベキスタンのキリム生産に着目することで、旧ソ連圏における人とモノの関係について論じたいと考えています。