緑川 茉歩
研究テーマ
インド農村部におけるウシ飼養から考察する人と家畜の関係性
研究内容
本研究はインド農村部における農業や酪農などの生業活動を対象としたものである。
インドにおけるウシは、人々にとって様々な意味を持つ動物として日常生活の中で取り扱われている。インドにおいて多数派を占めるヒンドゥー教徒にとっては「聖なる存在」とみなされ、宗教シンボルとしての役割がある一方で、実際に生活のためにウシを飼育する人にとっては日常に欠かすことができない生活協働者として表象される。
1960年代に起きた「農業革命」、1970年代に起きた「酪農革命」によってウシの種類比・雌雄比には変化が起きてきてきた。人工授精技術の普及やインフラの改善など酪農を取り囲む状況は日増しに向上しており、現在のインドのウシ飼養にもさまざまな変化を与えている。
ウシの屠殺の禁止などの宗教的な規制の中で人々はどのようにウシを飼い、ウシから利益を得ているのかを多角的に描写したい。
写真1: 寺院を徘徊する在来種のメスウシ(2024年10月4日撮影)
写真2: 乳用に飼養される外国産種のメスウシ(2024年10月11日撮影)